200415

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春になったら。お気に入りのプレイリストを更新してみたり、そのままあてもなく散歩してみたり。気づくとあたりは桜の木が満開を迎えている。鴨川沿いの道には毎年「見て、みて。」といわんばかりの大きな花を、いくつもに分かれたその幹が見えなくなるほどに実らせ尽くした桜の木が等間隔で咲き誇っている。

冬の閑散とした冷たさは嫌いじゃない。ちょっと動くだけで汗のにじむ夏よりもだいぶ好きだ。春は、夏へ着実に近づいていく通過期間で、しかも花粉症がひどい。それでも何か新しいことをはじめたくなるような、もう少しで何かに出会えそうなそんな季節。あちこちがピンク色に染まるぽかぽかの天気は人々を外に連れ出してくれる。公園の桜の木の下に持ってきた一人分のレジャーシートを敷き、コンビニで買ったであろうワンカップのお酒を片手にぶつぶつと話しているおじさん。あれは何かに向かって話しているのか独り言なのかすごく気になるが、近づけない雰囲気を感じさせる。ベンチにお互いの肩と膝をくっつけながら座るカップルは彼女の手作り弁当でランチをしている。小さなおもちゃの車に乗ってお母さんにおしてもらいながら砂場に向かう近所の子供。毎年恒例、春の風景。

今年はまだ春が来てないみたいだ。昼に起きて、昨晩見かけていた映画の続きを見終えてから顔を洗い、パックまでした。お湯を沸かしコーヒーをお気に入りのマグカップにできるだけゆっくり淹れる。無印良品で買ってあったレトルトのトマトキーマカレーを器に移し替えレンジで温めてから食べた。夜ご飯まで何をして過ごそうか。昨日は何したっけ。本の続きでも読もうか、ギターを触ってみようか。たったの三行ほどで完結する一日をそれとなくつぶしている日々だ。年老いた私は、今の私を思い出して、もったいなかったと後悔するのだろうか。それともこんな日々は忘れ去ってしまっているのかもしれない。こんな無駄なことばかり考えて時間が過ぎるのを待っている。それでも、そこまで暇だとはまだ思っていない。もっと暇になればすることは沢山ある。例えば、洗濯、料理、掃除、部屋の模様替え、勉強。

もう16時半だ。コーヒーを淹れなおそう。それから、もう少しで読み終える本の続きでも読んで過ごそう。そろそろ電気をつけよう、全然悪くない。ただ、そろそろ伸び切った前髪を切りに行きたい。