200813

夏がくる。響きだけはとても良い。でも私は夏が嫌いだった。暑いし、肌が焼けて茶色くなるし、少し歩くだけでバテてしまう。こんな、マイナスなイメージしかなかったし、毎年必ず律儀にやってくる夏に飽き飽きしていた。

そんな私も、夏フェスというものに親友と初挑戦した大学4年生の思い出、それから去年に今の彼氏と付き合い始めた季節であること、彼氏が考えるデートプランの素晴らしさのおかげで、夏!にくっつくとても青くて眩しいイメージへ少しづつ魅力を感じ始めていた。童心に帰り夢中ではしゃいで汗をかくこと、友達の家でタコパをした後に夜中の公園でスイカの種を飛ばす競争をしたこと、そのスイカの種をスマホのライトで必死に探し回ったこと、野外フェスの夕暮れ時に疲れて芝生に座り込みおっきな赤い夕焼けを見ながらアジカンソラニンを聴いたこと、手汗をかきながらも手を繋いで歩いたこと。夏の思い出というものはやけにドキドキしてしまう。夏フェス最後のアーティストを背に夜行バスへ向かう道中なんて、夏が終わるぅーと少し涙まで出していた。周りの人から与えられる夏の楽しみ方は、どんどん自分のものになってきている。クーラーの効いた部屋の中で夏が過ぎるのを待つことは、勿体ないと思うようになってしまった。

今年の夏は、なんか物足りない。

コロナのせいで夏フェスは中止になった。ビアガーデンは仕事で間に合わなかった。彼氏をデートになかなか誘い出せないのも、わたしの楽しいと思うことと彼の楽しいことが一致していないからなのだと思う。

周りが与えてくれていた夏は、私ひとりだとなんでこうもつまらないものなのだろう。いっそのことひとりでどこか遠くへ旅行に行くのも良いのかもしれない。楽しみといえば、母と暮らすようになってから増えた母との時間だ。今日は朝からかき氷を食べに行ったし、週末は淡路島へ旅行に行く。多分、この淡路島旅行で今年の私の夏は終わる。例年通り、一番楽しみな季節を待つのみだ。味気なさを感じるのも、全力で楽しむのも、同じスピードで過ぎていくから容赦がないのか優しいのか訳が分からない。

来年の夏は好きかなあ。